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概要

igakukai

?最先端の放射線治療京都府立医科大学放射線医学教室准教授山崎秀哉近年放射線治療は機器・技術共に進展著しく、高精度放射線治療が普及してきた。今回はその一端を紹介する。1.定位照射:多方向から多門の放射線照射を行い、個々の門で照射される正常組織の被ばくを最小に抑え、線量を一点(腫瘍)に集中的に照射する技術である。位置精度を重視した治療法であり、ピンポイント照射などと呼称されることがある。脳・頭頸部・肺・肝臓・脊椎病変に行われている。2.強度変調放射線治療(Intensity modulatedradiotherapy: IMRT):三次元原体照射の進化形であり、不均一な放射線強度を持つ照射ビームで、コンピユータによる最適化を行い、腫瘍の形態に合わせた最適な線量分布を得る放射線治療法である。有害事象を減少させる期待がもたれている。限局病巣であれば行いうるが脳・頭頸部・前立腺癌に多用されている。3.画像誘導小線源治療:小線源治療は小さな放射線源を体内に挿入して(腔内・組織内)腫瘍の近傍・内部から照射する方法である。線量分布はあらゆる放射線治療の中でも最も優れている。最近CT又はMRIの画像を利用して、最適な照射分布を作成、照射する画像誘導小線源治療が開発されており、従来の頭頸部癌や子宮頸部癌に加えて前立腺癌等にも行われている。4.粒子線治療(陽子線治療が京都府立医大で来春開始予定):粒子線はX線と比べ、ピーク以深で「止まる」という性質があり、そこより深くにある正常組織へのダメージが軽減し、身体にやさしい癌治療となる。小児癌は二次発癌低下等が期待され保険収載され、加えてこの春から頭頸部癌の一部、前立腺癌、骨軟部腫瘍が保険適応になった。山崎秀哉先生ご略歴1988年3月31日大阪大学医学部(医科学専攻)卒業1988年8月1日大阪大学医学部付属病院研修医(放射線科)1989年8月1日大阪逓信病院放射線科1992年4月1日?大阪大学大学院医学研究科集学放射線治療学講座1996年4月1日?米国ペンシルバニア大学放射線腫瘍学リサーチフェロー1997年10月1日?大阪大学助手(放射線科)2000年8月1日市立豊中病院放射線科医長2003年7月1日?大阪府立成人病センター放射線治療科医長2006年4月1日国立病院機構大阪医療センター放射線科医長・大阪大学医学部臨床教授2007年7月1日京都府立医科大学放射線科准教授―13―