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概要

igakukai

口演演題A会場??-1内視鏡的乳頭切開4日後に出血によりショックをきたし動脈塞栓にて止血を得た1例○安岡貴之、岡嶋亮、眞鍋繁雄碓井文隆、松山竜三、平田育大高橋周史(康生会武田病院)症例は総胆管結石に対して、胆管プラスチックステントを留置している89歳女性。来院2週間前より間欠的な右季肋部痛を認め、発熱を伴い救急受診、急性胆管炎と診断し、入院加療となった。第4病日に胆管プラスチックステントを抜去後、乳頭に対して中切開を施行し、採石した。第8病日、ショック状態を呈し、黒色便を認めた。乳頭切開後の出血を疑い、緊急上部内視鏡検査を施行したが、止血不十分であり、検査後の腹部造影CTにて、乳頭付近のextravasationを認めたため、腹部血管造影による止血を試み、コイル塞栓にて止血がえられた。臨床現場ではデバイスの進化により、様々な止血処置が応用されている。本症例は動脈塞栓にて止血が得られた1例であり、若干の文献的考察を加えてここに報告する。(下京西部医師会)??-2約30年前に留置したメッシュが感染した腹壁瘢痕ヘルニアの1例○横井崇人(京都第二赤十字病院)平井みつ子、弓場上将之、伊藤範朗阿辻清人、井川理、谷口弘毅(同外科)今井英也(今井内科診療所)【症例】76歳女性。腹痛を主訴に受診した。46歳頃に子宮筋腫で子宮全摘を施行され、その後3回の腹壁瘢痕ヘルニアを発症しメッシュで修復された既往がある。身体所見として創周囲に発赤、熱感、圧痛を認めた。腸閉塞やヘルニアは認めなかった。メッシュ感染が疑われたため、摘出手術を行った。手術時、メッシュに癒着した小腸に穿孔部位を認め、これが感染の原因と考えられた。この部分の小腸とメッシュを除去した。筋膜の縫合は行わずに閉創した。その後、半年後にあらためてメッシュを用いた腹壁瘢痕ヘルニア根治術を施行した。術後経過は良好である。【結語】子宮筋腫術後の腹壁瘢痕ヘルニアに対するメッシュ留置後、メッシュ感染をきたしたため小腸切除術とメッシュ除去を行った1例を報告する。(上京東部医師会)?会場??-3高度肥満患者に対し減量手術を先行した巨大副腎脂肪腫摘除術の1例○岩田辰吾、益本貴人、倉橋光輝大塚一雄、北岡昭宏、石上俊一桝本博文、加藤仁司(医仁会武田総合病院)萩原明於(滋賀医科大学)巨大右副腎腫瘍を合併した高度肥満患者に対し減量手術を行った後に腫瘍摘出術を施行した症例を経験したので報告する。症例は50歳代の男性。体重124.5kg、身長181.2cm、BMIは37.9と高度肥満を示し、肥満改善の目的で来院した。初診時のCTにて112X93 X100mmの巨大右副腎腫瘍を認めた。肥満症や高血圧症を示したため、内分泌学的検査を行ったが異常なく非機能性副腎腫瘍と診断した。腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を行い体重は88.6kg、BMIは27.0に減少した。肥満の改善に伴い高血圧症は改善し、降圧剤は中止した。悪性も否定出来ず副腎腫瘍に対し左側臥位にて後腹膜鏡下右副腎摘除術を行った。病理組織学的検査では副腎脂肪腫であった。高度肥満症に対し肥満手術を行い35.9kgの減量に成功し、安全に巨大副腎腫瘍摘除ができた。(伏見医師会)??-4最近経験した胆嚢捻転による急性胆嚢炎の2例○山口真彦(康生会武田病院)古元克好、大江正士郎、山岡竜也(同外科)症例1は85歳女性、腹痛・嘔吐にて前医受診、壁肥厚を伴う胆嚢腫大を指摘され、急性胆嚢炎にて紹介。腹腔鏡緊急手術にて、胆嚢は暗赤色に腫大し、胆嚢頚部のみ肝に付着し、反時計回りに捻転、捻転解除後摘出した。病理では全層性浮腫、出血がみられた。症例2は78歳男性、右季肋部痛、嘔吐にて前医受診、十二指腸GISTを指摘され紹介。CTにて胆嚢捻転も疑われたが、十二指腸GISTとの同時手術のため、約1週間保存的治療で経過観察し、開腹手術を行った。胆嚢は灰黒色に腫大し大網・結腸に包まれ、胆汁の漏出を認めたが、穿孔は見られず、胆嚢頚部のみ肝に付着し捻転、捻転解除後摘出した。病理では高度の壊死がみられた。胆嚢捻転は術前診断困難であるが、結石のない急性胆嚢炎は壊疽性胆嚢炎である可能性が高く、早期手術が望ましい。(下京西部医師会)―15―