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概要

igakukai

?会場??-5当院における腹腔鏡下直腸固定術と経肛門的直腸脱手術の使い分け○荒木吉朗(洛和会音羽病院)吉村直生、松村泰光、水野克彦喜多貞彦、武田亮二、粟根雅章髙橋滋(同外科)加川隆三郎(同肛門科)【はじめに】当院では以前は経肛門的手術のみを行なっていたが、腹腔鏡下直腸固定術も導入したので、その実際や両者の使い分けについて報告する。【方法】外来にて怒責診を行い直腸脱出長5cm未満を経肛門的手術、5cm以上を腹腔鏡下直腸固定術の適応とする。経肛門的手術はDelorme法に人工腱を使用したThiersch手術を併用(DT法)。腹腔鏡下直腸固定術(LR法)は直腸間膜をヘルニアステープラーで岬角部に直接固定。【結果】1年間にDT法は5例、LR法は3例施行。DT法は年齢中央値81歳、女性4例男性1例、平均脱出長は4.1cm。LR法は年齢中央値89歳、女性3例、平均脱出長は5.7cmであった。術後経過はいずれも良好であった。【考察】脱出長に応じた腹腔鏡、経肛門的方法の使い分けが肝要と思われる。(山科医師会)??-6腹部膨満を主訴に発見された空腸癌の1例○小西沙季(京都第二赤十字病院)谷口弘毅(同外科)河村卓二(同消化器内科)阿辻清人、渡邊信之、近藤裕(同外科)比企一晃(同循環器内科)高橋健(同消化器内科)55歳男性。腹部膨満を主訴に前医を受診し、上部下部消化管内視鏡検査にて胃癌や大腸癌は否定的であったが、腹部単純CTで小腸腫瘍と腹腔内に散在する多数の小結節を指摘され、PET-CTにて空腸にFDGの集積を認めたため、精査目的に当院紹介となった。小腸内視鏡検査にてトライツ靭帯より20mm肛門側の空腸に2型病変を認め、肝転移、リンパ節転移、腹膜播種を伴う空腸癌と診断し、狭窄解除目的に小腸部分切除、機能的端々吻合を施行した。明らかな合併症なく、第8病日に退院し化学療法を施行した。【まとめ】比較的稀な疾患であり、予後不良であることで知られている空腸癌の1例を経験したので報告する。(上京東部医師会)??-7急速な経過を辿った回腸癌の1例○山内美紀子(京都第二赤十字病院)谷口弘毅、柿原直樹(同外科)萬代晃一朗(同消化器内科)安達岳似(京都博愛会病院内科)森川修一(京都老人ホーム診療所)辻光(辻医院)松山南律(松山医院)【症例】70歳女性。腹部膨満感を主訴に前医を受診した。CT、大腸内視鏡検査にて回腸末端部に病変を認め、生検にてadenocarcinoma(por + muc)と診断された。PET-CT、造影CTにてSMA、SMV周囲のリンパ節に転移が疑われたが、可及的に切除することとした。術中、上行結腸への浸潤を認めたため、右結腸切除術を施行した。術後、SOX療法が施行されたが、3か月後に腹膜播種、全身のリンパ節転移及び肝転移を認め、8か月後に死亡した。【考察】原発性小腸癌は全消化管腫瘍の1.0%未満と少ない。とりわけ小腸腺癌において回腸癌が占める割合は2割と比較的稀な疾患である。小腸癌はスクリーニングの機会が少ない上、特異的症状に乏しく、進行した段階で診断に至ることが多いため、治療成績も芳しくない。(上京東部医師会)??-8当院における閉塞性大腸癌に対する治療戦略○北川一智、須知健太郎、名幸義仁甲原純二、吉岡裕司、松井道宣(京都九条病院)【はじめに】当院では2012年より閉塞性大腸癌症例に対してステントを挿入した上でERASプロトコールを導入している。文献的な考察を含めて報告する。【方法】CLOSSスコア0-1の症例22例に大腸ステントを挿入して手術を行った。【結果】1例で穿孔したために緊急手術を行った。21例で腹腔鏡下に切除を行った。うち16例は根治術、5例は局所の根治術が可能であった。一期的縫合は20例に施行した。合併症を2例(胆嚢炎、創感染)に認めた。術後在院日数は中央値で7日であった。これらの成績は同時期に施行された非閉塞症例と有意差がなかった。【考察】閉塞性大腸癌に対するステント挿入とERASプロトコールによる周術期管理は短期的には有用と考えられた。(下京西部医師会)―16―