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概要

igakukai

??-9腸閉塞をきたした柿胃石の1例○三好隆行(京都第二赤十字病院)宮国道太郎(同救急科)河村卓二(同消化器内科)柿原直樹、谷口弘毅(同外科)症例は66歳男性。胃癌に対して62歳時に腹腔鏡補助下幽門側胃切除+ Billroth-Ⅰ法再建術を施行されていた。腹痛・嘔吐で前医を受診していた。翌日に腹痛の再燃を認めた為に当院救急外来を受診し、癒着性腸閉塞の疑いで入院した。CT検査では空腸内に腫瘤様の食物残渣貯留を認め、この部分より口側の腸管に拡張が認められた。そのため、食餌性腸閉塞を念頭に詳細に問診を行ったところ柿の大量摂取が判明し、柿胃石による腸閉塞を疑い小腸内視鏡検査を施行した。同検査で食物残渣塊を確認し、破砕術を試みたが完全破砕には至らず、症状の改善が認められなかったため翌日緊急手術を行なった。トライツ靭帯から180cm肛門側の小腸内に存在した柿胃石を用手的に上行結腸へ誘導した。術後の経過は良好で術後3日目に退院となった。(上京東部医師会)??- 10当院における高齢者に対する腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア修復術の経験○上西基弘(新京都南病院)相馬祐人、廣間文彦、佐々木敏雄陳明俊、清水聡(同外科)食道裂孔ヘルニアは日常診療でしばしば遭遇する疾患であり、無症状の場合も多いが進行すると逆流性食道炎、胃腸通過障害、胸腔内臓器圧迫など様々な症状を呈し、手術適応となることがある。近年の高齢化に伴い巨大食道裂孔ヘルニアによる有症状例は増加しており、腹腔鏡下手術の普及に伴い腹腔鏡下修復術の有用性も報告されている。当院では2016年より腹腔鏡下修復術を導入し、これまで3例に施行してきた。患者は79歳、82歳、92歳の女性で、いずれも認知症、廃用があり、嘔吐や食事摂取不良のため入院中であった。術後は全例で自覚症状の軽減を認めた。全身状態不良の高齢者に対する手術となり周術期管理に苦慮する点はあったが、腹腔鏡下修復術は有症状患者のQOL向上に寄与するものと考えられたので報告する。(下京西部医師会)?会場??- 11 DAA治療における肝発癌症例の臨床的検討○小山友季、木村浩之、藤井秀樹西村健、吉田憲正(京都第一赤十字病院)C型慢性肝炎、代償性肝硬変の治療としてDAAが登場し,治癒率が飛躍的に向上した。一方、SVR後に肝発癌する症例を経験する。そこで当院でDAA治療を行った症例349例(男性/女性:149/200、Genotype1型/ 2型:261/88、HCC治療歴あり/なし:30/319、糖尿病あり/なし/不明:56/289/ 4)を対象とし、DAA治療後の肝発癌に寄与する臨床的背景について検討した。治療後の肝発癌は33例で、男性、HCC治療歴のある群、AFPが比較的高値の症例で有意に多かった。75歳以上の高齢者の発癌率は75歳未満と有意差はなく、また、糖尿病合併の有無に関しても有意な因子ではなかった。DAA治療の際、男性、HCC治療歴のある症例、AFPが比較的高値の症例では、厳重な経過観察が必要である。(東山医師会)??- 12肺癌合併抗利尿ホルモン不適合分泌症候群に対してトルバプタンにより良好に血清電解質を管理しえた1例○内藤裕士(医仁会武田総合病院)症例は95歳、男性。食思不振、倦怠感を主訴に当科入院。左上葉に孤立性肺癌を認め、血清Na 116mmol/L、K 4.0mmol/L、ADH5.6pg/mlであり、肺癌合併SIADHによる低Na血症による症状と考えた。飲水制限、食塩4.5g、アゾセミド30mg投与するも血清Na値の改善に乏しく、低K血症が進行した。そこでトルバプタン7.5mg併用開始したところ、直後よりNa値136mmol/Lと改善し、第29病日にはトルバプタン3.75mg、アゾセミド15mg、ケーサプライ1200mg投与にて血清電解質が正常化し、主訴も改善した。SIADHにおいて飲水制限や塩化ナトリウム、ループ利尿薬の投与でも血清電解質の改善が得られない場合、トルバプタン併用により良好な血清電解質管理が得られる可能性がある。(伏見医師会)―17―