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概要

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?会場??- 13糖尿病患者の定性尿所見と尿アルブミンの関係○紀田康雄(きだ内科クリニック)庭川莉子、貴志明生(京都岡本記念病院糖尿病内科)長谷川雅昭(同総合内科)劉和幸、鹿野勉(同腎臓内科)尿アルブミン値(UAE)と尿蛋白(UP)は密接な関係があるはずだが両者の乖離をしばしば経験する。UAEと検尿での尿所見、則ちUP、尿中白血球、潜血の程度との関係を1296例の糖尿病患者の尿で調べた。結果は尿蛋白の程度とUAEは有意な相関はあるもののばらつきも大きくUP(?)でもUAE高値の症例や逆のパタンも見られた。尿潜血の程度や尿中白血球の程度とUAEに相関はなく血尿や尿路感染はUAEに大きな影響はないと考えられた。CKD分類のA区分を評価するうえで顕性蛋白尿でもUP(2+)までの症例にはA1 ~ A2の症例が含まれる事からUP(+)~(2+)の症例であってもUAE測定の意義はあると考えられた。(宇治久世医師会)??- 14自院で経験した副腎インシデンタローマその2○関浩(関医院)前田利郎(京都きづがわ病院)竹田隆之(徳洲会病院)66歳男性:健診CTにて、副腎に約1cmの結節を指摘され受診。単純CT値5HU、動脈相50 HUと単純CT値は低値、wash out90%、MRIの化学シフトはT1強調像のout ofphaseで高度の低信号を呈し皮質腺腫と診断される。82歳男性:USにて、右転移性副腎癌が見られた。単純CT値33 HU、動脈相58 HUとwash out率は低い。MRI所見は拡散強調像で著名な高信号、in/out of phaseにて脂肪組織の含有を示す信号低下は見られない。左肺門に腫瘍をみ、PETにおいて左肺門部、右副腎、S状結腸に強いFDG集積を認める。S状結腸癌はEMRが行われ、早期癌だった。肺癌は、stageⅣBと確定され、PD-1の発現をみたため、抗PD-1抗体治療が行われ奏功する。(宇治久世医師会)??- 15腹壁脂肪吸引生検で診断出来たリンパ形質細胞性リンパ腫関連ALアミロイド?シス○吉田常恭(洛和会音羽病院)越田全彦、神谷亨(同総合内科)生来著患のない64歳男性が来院6か月前から進行性の下腿浮腫と労作時呼吸困難を主訴に当院を受診した。バイタルサインは正常だったが、診察で巨舌、頸静脈怒張、心拡大、肝腫大、下腿浮腫、末梢感覚障害を認めた。血液検査で総蛋白アルブミン解離とBNP上昇、心電図で低電位、心エコーで心筋肥大、両側胸水、心嚢液を認めた。心アミロイドーシスを疑い、外来で腹壁脂肪吸引生検を行った所、アミロイドの沈着を認めた。血清免疫電気泳動ではIgM-κ型M蛋白を認め、骨髄穿刺でリンパ形質細胞性リンパ腫と確定診断した。【考察】リンパ形質細胞性リンパ腫は稀にALアミロイドーシスを合併する。本例では腹壁脂肪吸引生検で診断が得られたが、比較的簡便で安全かつ診断価値が高い検査技法であるため、一般内科医でも手技の習得が望ましい。(山科医師会)??- 16妊婦の水痘と、水痘流行の危険性○伊藤翔泰(洛和会丸太町病院)瀬尾晃司、野溝万吏、矢野阿壽加横田浩美、堀隆夫、徳重誠佐川典正(洛和会音羽病院産婦人科)31歳1経産婦。妊娠39週5日に水痘と診断された。抗ウイルス薬を投与し、他妊婦への感染予防のためその後の妊婦検診は陰圧室で行った。41週0日に陣痛発来で入院したが皮疹が痂皮化しておらず、非産科病棟の陰圧室で分娩を行った。当院では水痘患者の分娩の経験はなかったが、救急科、産婦人科、皮膚科、感染症科、小児科で連携することで適切な感染予防と周産期管理を行うことができた。2014年に水痘ワクチンの定期接種が開始され水痘患者数は減少しているが、20歳以下の抗体保有率は低く集団免疫率には届いていない。患者数減少に伴い水痘への暴露の機会が減ると予想され、抗体非保有者がそのまま妊娠可能年齢になる恐れがあり、今後は妊婦の水痘を含めた成人水痘への対応策を個々の病院で講じる必要があると考える。(中京西部医師会)―18―