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概要

igakukai

口演演題B会場?会場??-1難治性吃逆で発症した抗AQP4抗体陽性視神経脊髄炎関連疾患の1例○小野通夫、河村祐貴、三宅智彬細川恭子、小島康祐、神田益太郎(医仁会武田総合病院脳神経内科)症例は65歳女性。3か月前より吃逆が出現し、投薬でも効果は乏しく数週間継続した。上部内視鏡検査では原因は特定できなかった。1か月前に呂律困難、嚥下困難が一過性に出現した。7日前からの左頚部から上肢にかけてのしびれ、右顔面の疼痛、ふらつきが出現した。神経学的所見では、右顔面の異常感覚と左体幹の温痛覚鈍麻、両下肢腱反射亢進、失調歩行を認めた。頭部MRIでは右延髄~頸髄腹側に拡散強調像とT2強調画像で高信号域を認め、髄液検査で軽度細胞数上昇、抗AQP4抗体陽性から視神経脊髄炎関連疾患と診断した。ステロイドパルス療法、単純血漿交換を含む免疫療法にて症状は改善した。本症では難治性吃逆が発症時や再発時の特徴的であり、延髄病変の関連が指摘されている。本症の診断を疑う臨床症状として難治性吃逆は重要と考える。(伏見医師会)??-2顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー2型の1例○平山典宏、大井由貴、後藤和也木下智晴、和田裕子(洛和会音羽病院)症例は42歳男性。出生・発達に問題なし。10代後半から両上肢が挙がりにくかった。続いて握力低下など上肢の筋力低下が進行したため2011年の35歳時に当院を受診した。父に類症はなく、母方は両親の離婚のため不詳である。顔面および上肢優位の筋力低下と筋萎縮、翼状肩甲、Beevor徴候、腱反射減弱から顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)を疑い遺伝子検査を提出したがD4Z4リピートの短縮はなかった。2015年の39歳時に新規遺伝子変異が発見されFSHD2と診断したが、外来通院を自己中断し音信不通となっていた。42歳時に四肢の筋力低下が進行したため当院を再受診した。FSHDに特徴的な身体所見についてはおおむね既報告の通りであるが、本例の写真や動画を提示する。(山科医師会)??-3くも膜下出血と鑑別を要する画像所見を呈したリウマチ性髄膜炎の1例○細川恭子、河村祐貴、三宅智彬小野通夫、小島康祐、神田益太郎(医仁会武田総合病院脳神経内科)症例は60歳女性。関節リウマチのため、他院でX年2月よりメトトレキサートを内服中。同年11月末より頭痛があった。12月21日に突然会話困難となった。頭部MRI検査で脳溝に沿って拡散強調画像とFLAIR画像にて高信号を認めた。画像所見からくも膜下出血を疑ったが、血管造影検査にて出血源を認めなかった。造影MRI検査で脳軟膜の造影効果を認め、髄液検査にて細胞数、蛋白の軽度上昇を認めたが、キサントクロミーは認めなかった。血清では抗CCP抗体高値を示したためリウマチ性髄膜炎と診断した。ステロイドパルス療法を2クール施行後、プレドニン内服にて頭痛軽快、MRI所見と髄液所見の改善を認めた。リウマチ性髄膜炎は関節リウマチの関節外合併症としては稀であるが、画像所見からくも膜下出血と鑑別を要する場合がある。(伏見医師会)??-4高齢者自転車事故による頭部外傷の検討ー自験例と頭部外傷データバンクを基にー○榊原毅彦、平井誠、山木垂水(京都九条病院)【はじめに】高齢化社会が進行する現代で、高齢者の自転車事故が増加している。高齢者自転車事故の予防策を含めた対策は不十分である。今回当院での高齢者自転車の自損転倒事故を示し、併せて頭部外傷データバンクのデータを検討し高齢者自転車事故の傾向について報告する。【症例】85歳、男性。心筋梗塞後で抗血小板剤を2剤服用していた。自転車乗車中に転倒し頭部に挫創を負い、当院に独歩で時間外受診された。意識清明で運動麻痺もなく創部を処置後にCT検査を行ったところ左急性硬膜下血腫を認めた。約30分後に意識レベルが急激に悪化し血腫の増大も認め緊急血腫除去術施行するも、翌日死亡退院された。【結論】高齢者の自転車事故による重症頭部外傷は急増してきており、今後高齢者の自転車運転に際する対策を講じることが必要である。(下京西部医師会)―20―