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igakukai

??-5子宮頸癌に伴うPTTMの1例○瀧谷幸(洛和会音羽病院)鈴木瑞枝、吉原桂一、中井朝子藤村幹彦、久保聡一(同放射線科)友井正弘(同PET-CT画像診断センター)中西陽祐、土谷美知子(同呼吸器内科)瀬尾晃司、花房克行、川津邦弘堀隆夫(同産婦人科)症例は74歳女性。入院2カ月前より咳嗽や呼吸苦が出現し、近医にて気管支肺炎を疑われ加療されたが、明確な改善なく経過。入院1カ月前に当院紹介受診。入院後のCTで両側肺の多発粒状影や縦隔リンパ節の軽度腫大を認め、画像所見からはサルコイドーシスが疑われた。その後精査で子宮頸癌が発見され、肺血流シンチでは両側肺の対称性の小血流欠損あり、肺高血圧症を認めたことからPTTM(PulmonaryTumor Thrombotic Microangiopathy)と診断。患者はBSCの方針となり、第50病日に永眠された。剖検で肺動脈内に多数の腫瘍塞栓あり、PTTMとしても矛盾しない結果であった。CTで両側肺の多発粒状影や胸部リンパ節腫大を認めた場合、本症も考慮に入れる必要があると考えられる。(山科医師会)??-6頭蓋底損傷をきたした頸部刺創の1例○竹村晃世、為野仁輔、大村学山本聡、髙木伸夫(京都第一赤十字病院)頭蓋底に達した釣り竿による頸部刺創の1例を経験した。症例は48歳男性。転倒し、釣り竿が頸部に突き刺ささり、当院に救急搬送となった。異物先端は軟口蓋にみられたが、画像上左急性硬膜下血腫、くも膜下出血、気脳症を認めたことから、一旦頭蓋底に達していたと考えられた。救急科、脳神経外科と連携し、気管内挿管や全身評価を施行した上で全身麻酔下に異物摘出術を行った。摘出の際、視認できない部位からの出血の可能性を考え、摘出前に外頸動脈を同定しておく等の工夫をした。幸いにも多量の出血は起こらず異物は摘出できた。術後経過は良好で特に合併症や後遺症もなく社会復帰に至った。重篤な頸部損傷において、たとえ特殊なものであっても、まず迅速な初期対応、他科との連携が重要性であると再認識した。若干の文献的考察を加えて報告する。(東山医師会)?会場??-7眼窩上壁骨の欠損を画像的に追跡できた術後性前頭洞炎の1例○岡野博之(京都岡本記念病院)症例は45才男性、既往歴として30歳時、他院にて両側鼻内内視鏡手術、鼻外切開による左前頭洞根本手術(胆管T tube留置)鼻中隔矯正術施行歴あり。右上眼瞼腫脹出現にて精査加療目的にて当科受診、CTにて右上顎洞に軟部組織陰影を認め、右前頭洞炎の診断にて抗菌剤にて加療施行した。右上眼瞼腫脹は消失したため一旦治療を終了した。2カ月後再度右上眼瞼腫脹出現し再診、再度CTを撮影したところ前回と同様に右前頭洞に軟部組織陰影を認めた。また前回とは異なり右眼窩上壁骨の欠損を認めた。右術後性前頭洞嚢胞の診断にて初診より3カ月後、全身麻酔下に右鼻内内視鏡下嚢胞開放術を施行した。術後経過良好にて現在外来にて経過観察中である。文献的考察を加えて報告する。(宇治久世医師会)??-8咽頭魚骨異物について○村上匡孝(村上クリニック)当クリニックで経験した咽頭魚骨異物症例で、魚種が特定できた87例について、魚骨の刺入部位、魚骨の長さ、魚種、年齢層、時期(季節)、等の考察を加えた。咽頭魚骨異物は、40歳以上に多く、10歳から30歳台には比較的少なかった。口蓋扁桃を中心とした中咽頭異物が多かったが、60歳以上の人は下咽頭異物例が多かった。魚種は多い順に、アジ、ウナギ、サンマ、カレイ、サバであった。特にアジが多く、広い年齢層にみとめた。タイ、カレイ、アマダイ、サワラ、アジなど硬い骨の魚は2cmを超える長い骨が多く、下咽頭異物が多かった。5歳以下ではカレイ、5?10歳ではウナギ、10?20歳ではサンマが最も多かったが、40歳以上では魚種は多種多彩であった。(綴喜医師会)―25―