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概要

igakukai

?会場??-9当科での甲状腺手術に関する検討結果○木村有佐、豊田健一郎、藤田朋己森岡繁文、松岡秀和、森本泰介(京都市立病院)吉村佳奈子(京都府立医科大学附属病院)甲状腺腫瘍に対する治療としては外科的治療が有用である。今回我々は自施設での疾患傾向や合併症等を把握することで患者への詳細な手術説明に役立てることを目的とし、当科での2012年7月から2018年3月までの甲状腺手術症例計239側に関して診療記録を後ろ向きに検討した。具体的には、術前の穿刺吸引細胞診(FNA)と最終病理診断との関連、術後出血および反回神経麻痺のリスク因子に関して検討した。穿刺吸引細胞診と最終病理を比較した結果、その正診率は93.3%であり、現行の手技により術前に良悪性の目安を得ることができると思われた。術後反回神経麻痺の発生には郭清範囲が関与している可能性が示唆された。こうしたデータを用いることで患者により精度の高い情報を伝えることができ、適切な治療方針選択の一助になると考える。(中京西部医師会)??- 10 2018年京都府下におけるスギ・ヒノキ花粉飛散○浜雄光(浜耳鼻咽喉科医院)安田誠(京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室)出島健司(京都第二赤十字病院)【目的】近年、スギ・ヒノキ花粉飛散の隔年結実現象が崩れてきており、飛散予想が非常に難しくなってきている。今回は2018年の京都府下におけるスギ・ヒノキ花粉飛散状況と過去24年間の飛散につき比較検討したので報告する。【方法】京都府立医科大学と府下の各観測点で、ダーラム型花粉観測器を用いてスギ・ヒノキ花粉飛散数を計測し、飛散状況を分析した。【結果と考察】1)2018年の京都府立医科大学での観測結果は、スギは2879個の中等量飛散、ヒノキも3463個と中量飛散であった。2)ヒノキ花粉飛散が早目に飛散開始となり、スギ花粉と合わさり3月30日に合算で最大飛散となった。3)ヒノキ花粉飛散が早目にピークを迎えたのは、3月中旬からの気温上昇も一因と考えられた。(綴喜医師会)??- 11接触性皮膚炎に急性汎発性発疹性膿疱症を併発し診断に苦慮した1例○長野広実(京都岡本記念病院)三浦知晃、西村昌泰、劉和幸鹿野勉(同腎臓内科)羽倉麻美(同皮膚科)高岸勝繁、島田利彦(同総合診療科)【症例】68歳女性【現病歴】X?8日に古い衣装を着用した際、頸部に掻痒感を自覚した。X?4日に顔面の紅斑と頸部リンパ節腫脹が出現したため近医を受診し、ロキソプロフェンを処方され内服した。しかし、紅斑の拡大、掻痒感の増悪を認め、X日に当院入院となった。入院時、無菌性の非毛孔性小膿疱を有する全身の多形紅斑を認めた。ロキソプロフェンによる急性汎発性発疹性膿疱症を疑い、皮膚生検でも矛盾しない結果であった。抗ヒスタミン薬で掻痒感の改善が乏しく、プレドニゾロン30mg /日の投与を開始した。その後、紅斑、掻痒感共に改善したため、X+8日退院となった。【考察】接触性皮膚炎にロキソプロフェン内服による急性汎発性発疹性膿疱症を併発し、鑑別に苦慮した1例を経験した。経過、精査の結果について報告する。(宇治久世医師会)??- 12足部深部感染に対し遊離広背筋皮弁にて荷重部再建を行い歩行機能を温存しえた1例○米谷あずみ(医仁会武田総合病院)青木久尚(倉敷中央病院形成外科)症例は60歳男性。受診1か月前にガラス片を踏んで右足底挫創を受傷、放置していたが疼痛増悪、食欲低下、全身倦怠感が出現し当院救急外来を受診した。右踵創部を中心に足関節から足趾まで広範囲に発赤腫脹を認め、足底部に波動を触知した。全身麻酔下に足底深部屈筋群を切開、デブリードマンを施行。足背足底の軟部組織が広範囲に欠損し踵骨が露出した。できるだけ下肢の血流を温存するために右背部より胸背動脈の分岐部を含めた肩甲下動脈を栄養血管とした遊離広背筋皮弁を採取し、flowthrough型としてドナー血管の前脛骨動脈を温存した。踵骨が筋皮弁で被覆され、患者は足底板を調整し独歩可能で社会復帰できた。糖尿病患者において将来的なPADのリスクを考慮し主要血管を犠牲にしない遊離筋皮弁移植は救肢に有用である。(伏見医師会)―26―