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概要

igakukai

ポスター発表?会場??-1病的意義のない動悸に対し漢方治療が有効であった3症例○山崎武俊(洛和会音羽病院)【症例1】63歳女性、30年前に子宮外妊娠で手術。その頃より動悸を自覚したが検査で異常はないと言われた。桂枝加竜骨牡蛎湯を投与し症状は軽快した。【症例2】67歳女性、高血圧、脂質異常症で治療中。動悸を自覚したが、心電図、心エコーで異常なく、ホルター心電図でも上室性期外収縮、心室性期外収縮散発のみであった。苓桂甘棗湯(煎薬)を処方し、症状は消失した。【症例3】34歳女性。脈の結滞を伴う動悸を自覚するようになった。心機能良好で、ホルター心電図で心室性期外収縮を少数認めた。半夏厚朴湯服用2週間で症状は消失した。【考察】動悸は西洋医学的に病的意義を持たないことも多く、しばしば治療に難渋する。漢方医学は疾患の有無にかかわらず、患者の体質に合わせて治療することができ動悸治療に有用であると考えられる。(山科医師会)??-2当院でのSAS診療について○福地浩平(京都九条病院)嶋津孝幸、清水眞澄(同循環器内科)睡眠時無呼吸症候群(SAS)は心臓病、脳血管障害等を高率に合併するため早期の発見、治療介入が必要である。当院では積極的にSASのスクリーニング、CPAP導入をおこなっており、当院での診療についてご報告する。(下京西部医師会)??-3心尖部血栓が残存した、たこつぼ型心筋症の1例○池田周平、井口守丈、青野佑哉土井康佑、安珍守、石井充益永信豊、和田啓道、長谷川浩二小川尚、阿部充、赤尾昌治(京都医療センター)症例は90歳女性。意識消失で近医を救急受診した際に心電図でST上昇と、心エコーで心尖部の壁運動低下を認め、当院に救急搬送された。緊急冠動脈造影検査を施行するも、冠動脈に有意狭窄は認めず、たこつぼ型心筋症の診断となった。心腔内血栓予防目的でヘパリンによる抗凝固療法を開始したが、第5病日に施行の心エコーで心尖部に血栓を認めた。ヘパリンを継続するも血栓は残存しており、第12病日からワルファリンの内服を開始したが、血栓残存のまま第32病日に退院となった。たこつぼ型心筋症や心筋梗塞による広範な壁運動低下を認める場合の心腔内血栓予防目的での抗凝固療法については、その有効性を示すエビデンスが乏しく、施行については施設によるところが大きいとされており、文献的考察も含めて報告する。(伏見医師会)??-4サラゾスルファピリジンに対するアレルギ一が原因と考えられた過敏性心筋炎の1例○彌重匡輝(洛和会音羽病院)横井宏和、太田悠太郎、駒井翼山崎真也、柳内隆、牛丸俊平加藤拓、栗本律子(同心臓内科)万井弘基(同不整脈科)野本英俊(国立国際医療研究センター総合感染症科)症例は43歳女性。2年前に血清反応陰性関節リウマチの疑いでステロイド(PSL)15mgが開始され、3.5mgまで漸減できていた。関節炎症状が残存し、2ヶ月前にサラゾスルファピリジン(SASP)が追加されたが、薬疹出現のため中止となった。2日前より胸部圧迫感が出現し当院受診。心筋逸脱酵素の上昇、心膜液貯留を認め、急性心筋心膜炎の診断で当科に入院。第2病日から左室壁の浮腫状変化と下後壁の壁運動低下が出現、第4病日に施行した心筋生検にて好酸球の浸潤を認め、薬疹の経過と併せて過敏性心筋炎と診断した。以後PSL継続により心機能の改善を認め、第15病日に退院となった。過敏性心筋炎は好酸球性心筋炎の一亜型であり、原因薬剤は多岐にわたる。今回我々はSASPによる過敏性心筋炎の1例を経験したため報告する。(山科医師会)―28―