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概要

igakukai

??-5モラクセラ肺炎に合併した多形紅斑と反応性関節炎○竹本晴彦、吉田常恭、神谷亨(洛和会音羽病院)生来健康な67歳男性が受診2週間前から湿性咳嗽、2日前から全身の皮疹、関節痛を自覚した。受診時、体温39.5度、酸素化は良好で肺雑音はなく、四肢、体幹に多数の円形紅斑、両肩、肘、指関節に腫脹、圧痛を認めた。胸部CT、喀痰グラム染色から、モラクセラ肺炎が疑われた。皮疹、関節炎からは非定型肺炎の合併も疑われ、セフトリアキソンに加えて、クラビットの点滴治療を開始したところ、速やかに解熱し、湿性咳嗽、紅斑、関節炎所見は消失した。喀痰培養からはモラクセラ・カタラーリスが同定されたが、マイコプラズマ抗原抗体検査、クラミドフィラ抗体検査は共に陰性であった。【考察】モラクセラ肺炎に合併した多形紅斑、反応性関節炎の報告は稀である。菌の外膜に存在するリポオリゴ糖が自己免疫反応を引き起した可能性が考えられた。(山科医師会)??-6高齢者の吸入薬のアドヒアランスについての検討○八百佑樹(洛和会音羽病院)土谷美知子、坂口才、森川昇(同呼吸器内科)長坂行雄(洛和会京都呼吸器センター)【目的】当科外来かかりつけの認知症のない75歳女性が喘息発作で入院した際、吸入薬をほぼ吸入できていなかったことが判明した。この教訓から、高齢者の吸入アドヒアランスについて検討した。【方法】薬剤師20名にアンケートを行った。【結果】薬剤師の65%は内服薬より吸入薬のアドヒアランスの方が悪いと感じていた。使いやすいデバイスはエリプタ(43%)、レスピマット(16%)であり、使いにくいデバイスはレスピマット(36%)、タービュヘイラー(29%)であった。また、貼付薬への切り替えも提案されていた。【結論】高齢者の喘息治療においてデバイスの適切な選択や吸入以外の投与経路も検討する必要がある。そのためには医師と薬局の情報共有が重要である。(山科医師会)?会場??-7 PPH手術にて疼痛緩和に成功した2症例○竹内豪(宇治徳洲会病院)仲井理、仲原英人、高岸智子新美雄大、松木豪志、長野心太日並淳介、金児潔、久保田良浩(同外科)、青井一憲(宇治病院内科)今西努(蘇生会総合病院外科)脱出性内痔核に対する標準的治療は痔核結紮切除術であるが、術後疼痛が強い欠点がある。脱肛・肛門痛にて近医より紹介されたハイリスク患者にPPH手術を行い、術直後より肛門痛の緩和に成功し、早期社会復帰を果たしたので報告する。【患者1】60代男性。胃癌(腹膜播種、横行結腸浸潤)と診断され、大学病院にて膵頭十二指腸切除術を施行。術後のリハビリ目的に転医・入院中に、痔核嵌頓状態が続き、アルブミン1.6g/dlで紹介され、PPH手術を施行した。術直後より脱肛・肛門痛は改善し、第3病日軽快・退院し、術後2ヵ月の現在、全身状態も改善している。【患者2】70代女性。慢性心不全(肺高血圧症)で、近医に通院中。1ヵ月続く肛門痛にて紹介された。肛門脱と診断し、麻酔科・心臓血管内科の協力を得て、PPH手術を施行。第3病日患者さんは大満足で退院した。(宇治久世医師会)??-8当院における脾損傷症例の検討○山岡竜也、古元克好、大江正士郎山口真彦、麓佳奈子、金?周造(康生会武田病院)当院において治療を行なった外傷性脾損傷8症例について検討を行なった。原因として最も多かったのは交通事故4例でそのうち高エネルギー外傷は1例のみ、転倒や人との接触など比較的軽度な衝撃と考えられた症例が4例であった。脾損傷分類のⅢ型と診断された症例が6例と最も多く、うち手術症例は2例で他はIVRなど非手術治療であった。また、損傷が軽度なⅠ型症例で遅発性出血による死亡例がある。全例で造影CTによる確定診断と重症度分類がなされているが、いずれの分類においても慎重な経過観察が必要と考えられた。他の臓器損傷を合併している症例は少なく、肋骨骨折を伴っていた2例のみであった。脾臓は他の臓器と比べ損傷しやすい臓器とされており、左側腹部を受傷している場合は脾損傷を念頭においた慎重な診察が必要と考えられた。(下京西部医師会)―29―