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概要

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?会場??-9大腸憩室症に対する手術症例の検討○大江正士郎、山岡竜也、古元克好山口真彦(康生会武田病院)大腸憩室症(出血2例、憩室炎22例)について検討した。平均年齢は70歳、性別は男性16例、女性8例。部位はS状結腸15例、上行結腸6例、盲腸2例、下行結腸1例。出血2例は待機的に鏡視下手術を施行(100%)。憩室炎22例は、HincheyⅠが5例、Ⅱが9例、Ⅲが3例、Ⅳが5例。HincheyⅠは、すべて待機手術で、2例に鏡視下手術を施行(40%)。HincheyⅡは、緊急手術が4例、残りの5例は内科治療抵抗性のために待機的手術を施行(平均9日後)。HincheyⅢは、3例中2例にエンドトキシン吸着療法を施行。HincheyⅣでは、すべての症例にHartmann手術とエンドトキシン吸着療法を施行し、救命率は80%であった。今後は、HincheyⅠ?Ⅱ症例に対する鏡視下手術に取り組みたい。(下京西部医師会)??- 10腸管皮膚瘻を伴った腹壁瘢痕ヘルニアの根治術例○古元克好(康生会武田病院)山岡竜也、大江正士郎、山口真彦(同外科)、松谷崇弘(同形成外科)【諸言】小腸皮膚瘻はQOLを損なう。巨大腹壁瘢痕ヘルニア嚢内の小腸が皮膚瘻を形成し1年半近く放置されていた透析患者に対し治癒に難渋した症例を報告する。【症例】63歳男性。維持透析中。5年前の腹部大動脈瘤手術の腹壁瘢痕ヘルニア部に17か月前より腸瘻が生じていた。瘻孔皮膚を含め約10cmの小腸を切除再建し、ヘルニア修復は腹直筋前葉翻転法とした。術後腹壁が壊死し、壊死物質除去・洗浄を行い、露出した腸管が肉芽に覆われたところで不良肉芽を除去し、皮膚を縫い寄せて減張し、6日間の陰圧閉鎖療法を経て植皮した。【考察】人工材料を用いない腹壁修復法として、ヘルニア門が大きいため本法を選択したが治癒に難渋した。腹直筋の萎縮や透析の影響が原因と考えられた。【結語】透析患者の創傷管理の困難さを改めて痛感した。(下京西部医師会)??- 11腕相撲により受傷した上腕骨遠位骨幹部骨折に対してエンダー釘で固定した1例○竹島稔、山﨑隆仁、藤田伸弥長島新吾(田辺中央病院)【はじめに】腕相撲での上腕骨骨折は若年者に起こることが多く、上腕骨に大きな捻転力がかかり生じる。保存治療を選択することも多いが、転位のある不安定骨折や神経損傷の危惧のある場合は手術治療が必要となる。【症例】27歳男性。腕相撲で上腕骨遠位骨幹部骨折を受傷した。徒手整復困難で転位があるため手術施行した。エンダー釘2本で逆行性固定し、刺入部に3.5mmスクリュー固定してbackout予防した。術後6か月で骨癒合得られて抜釘し、経過良好であった。【考察】上腕骨遠位骨幹部骨折の手術は、髄内釘は固定不良の危惧があり、プレートは高侵襲で神経障害の懸念がある。逆行性エンダー釘は低侵襲で自由度と応用性が高いため良い適応であるが、固定性の限界があり、設置方法を誤れば固定破綻を招くことに注意が必要と考える。(綴喜医師会)??- 12京の子どもダイヤモンドプロジェクトにおけるメディカルチェック○森原徹(京都府立医科大学附属病院)伊吹京秀、上田忠、奥平修三栗山新一、中村伸一郎、檜垣聡北條達也、劉和輝、木村祐子坂東美紀、乘本敏宏、柏木佳久福山正紀(京都府医師会スポーツ医学委員会)京都府では、小学3年生を対象に優れた資質のあるジュニア選手の発掘し、中学3年生まで6年間育成を行うプログラムを開始した。フェンシング、バドミントン、およびカヌー選手の育成に特化し、将来わが国を代表するアスリートをめざし活動を行っている。京都府医師会では、メディカル・フィジカルチェックをこれまで年2回縦断的に行ってきた。傷害の疫学、経年的な筋力と各関節可動域データについて検討したので報告する。傷害では、上肢の肩1.7%、肘13.6%、下肢の膝22.0%、足66.1%に所見を認めた。握力、膝伸展・屈曲筋力、反復横跳び、および垂直跳びは経年的に増加した。しゃがみこみは困難な選手が経年的に増加したが、肩、頚部、および股関節の可動域変化は少なかった。今後も縦断的な調査を行い、傷害と身体特性の関連を検討する予定である。(京都府立医科大学医師会)―30―