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概要

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?会場??- 14急速進行性糸球体腎炎と鑑別を要した急性尿細管間質性腎炎の1例○新美完(洛和会音羽病院)吉田常恭(同総合内科)日比新、笠原優人(同腎臓内科)神谷亨(同総合内科)心房細動に対しワルファリン内服中の81歳女性が、3週前より食思不振を来した。近医で血清CRP・Cre上昇と血尿から尿路感染症が疑われ、レボフロキサシンを投与されたが、腎障害が進行したため当科紹介となった。来院時、両側下腿に点状紫斑、血液検査で腎障害増悪、PT-INR過延長を認めた。血管炎に伴う急速進行性糸球体腎炎が疑われたが、紫斑の皮膚生検で血管炎所見はなく、血管炎の血清マーカーも陰性だった。腎生検で急性尿細管間質性腎炎の所見が得られ、ステロイド治療で腎機能は改善した。【考察】急性腎障害で急速進行性糸球体腎炎を疑いながらも皮膚生検、血清マーカーが陰性の場合、腎生検による急性尿細管間質性腎炎の確定診断が必要である。本例は原因として薬剤性が疑われ、被疑薬として抗菌薬やワルファリンが挙げられた。(山科医師会)??- 15限局前立腺癌に対するロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術の初期成績○大久保和俊、清水浩介、中野翔平岡田能幸、長濱寛二(京都桂病院)【目的】近年ロボット支援手術が普及し、本年4月には多くの疾患に保険収載された。われわれは2018年5月にダヴィンチ最新機種Xiを導入しロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術(RALP)を開始したので、その初期成績を報告する。【対象と方法】2018年6月から限局前立腺癌に対するRALPを開始し、6月末までに4例実施した。コンソール術者は1名に固定したが、第一助手は各主治医が担当した。【結果】コンソール時間は170から290分(平均240分)、出血量400ml未満、輸血を要した症例はなかった。尿道カテーテル留置期間は全例7日未満で周術期の大きな合併症はなかった。【結論】ダヴィンチXiを用いたRALPを安全に導入できた。今後も安全性を確保しながら、難易度の高い症例にもチャレンジしたい。(西京医師会)??- 16当院での去勢抵抗性前立腺癌に対するRa223治療の初期経験○坂本隆吏(京都桂病院)伊藤仁(同放射線治療科)山岡利成(同放射線診断科)大久保和俊、長濱寛二、岡田能幸中野翔平、清水浩介(同泌尿器科)Ra223療法は骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌の有効な治療法だが、その適切な投与なタイミングは明確ではない。多くの癌において栄養状態および全身性炎症は治療結果と関連しているため、Ra223療法を受けた患者の栄養状態と全身性炎症の影響を調べた。Ra223療法を受けた24人を遡及的に検討。栄養状態と全身性炎症は好中球リンパ球比(閾値3)およびC反応性タンパク質(CRP)(閾値0.2mg/dl)を指標とし、両方共上昇した者を悪液質状態とした。24人のうち、14人は6サイクル療法を完遂し、5人は完遂できず、5人は治療中。経過観察期間中央値197.5日で5例が死亡。悪液質状態とそうでない患者とで生存が有意に異なっていた。Ra223療法は早期投与が望ましいと考える。(西京医師会)??- 17後頭下減圧術が有効であった小脳テント髄膜腫の1例○村上陳訓、村上守、藤原岳古丸裕二郎、丸山大輔、武内勇人(京都第二赤十字病院)伊地知俊晴(いじち医院)【はじめに】高齢者医療では、治す医療より支える医療が中心となるため、根治手術より症状の軽減のための緩和手術(姑息手術)が選択されることがある。今回、物忘れ、歩行障害で発症した小脳テント髄膜腫に対し、腫瘍は摘出せず、小脳、脳幹の圧迫を軽減する目的で後頭下減圧術を施行し、症状の改善を認めた1症例を経験したので報告する。【症例】84歳、男性、半年前から物忘れ、歩行障害が徐々に進行し、近医受診し、頭部MRIで約4cm大の小脳テント髄膜腫を認め、当科紹介。受診時、意識はJCS3、明らかな運動麻痺は認めないが、全介助であった。手術は、横静脈洞をこえる後頭下減圧術施行、術後、伝い歩きは可能となった。【考察】高齢者では、短期的な症状の改善のため、腫瘍の圧迫を軽減する外減圧術も治療の選択肢となると考えられた。(上京東部医師会)―32―